TOKYO KASEI GAKUIN UNIVERSITY presents

食とSDGs

はじめに

私たちは管理栄養士を目指して日々勉学に励んでいます。学習の過程で「食とSDGs」に興味を持ち、
私たち大学4年生4名が食の生産者と共創してSDGs体験型イベントを企画・運営しました。
私たちの活動レポートをぜひご覧ください!

SDGs:Sustainable Development Goals
(持続可能な開発目標)とは?

皆さんは、SDGsをご存知でしょうか?
世界には貧困、戦争、気候変動、感染症など様々な課題があります。そこで、人類が安心して過ごせる持続可能でよりよい世界を目指し、2030年までに達成すべき国際目標が立てられました。それがSDGsです。17のゴール、169のターゲットで構成され、世界中の人々が協力しながら取り組んでいくことが求められています。
私たちに身近な食に関わる目標も設定されており、管理栄養士にも「持続可能な食」への貢献が期待されています。

私たちは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。

SDGsに関する意識調査

1年生を対象にSDGsに関する意識調査を行いました。
調査の結果、学校現場でのSDGs教育も浸透しているためか、学生の関心も高く、すでに行動している人も多数存在していることがわかりました。その反面、知らない、あるいはどう行動して良いか分からない人もいることから、SDGs活動による成果を見える化し、同時にSDGsへの参加方法に関する情報や参加できる場を提供する必要があると考えられました。

SDGsの認知度について
  • SDGsについて全く知らない(今回の調査で初めて知った)
  • SDGsという言葉を聞いたことがあるが、内容は詳しく知らない
  • SDGsの内容について知っているが、特に行動するつもりはない
  • SDGsについて何か行動したいと思っている
  • SDGsについてすでに行動している

イタリアのSDGs事情
~イタリア在住の卒業生へのインタビュー~

2022年度のSDGs達成ランキングにおいて日本は19位でした。そこで、世界のSDGsへの取り組みに興味を持ち、イタリアに住む卒業生の先輩にインタビューを試みました。
イタリアは日本と同じく南北に長い国土を持ち、地域ごとの郷土料理がたくさんあります。イタリア料理は古代ローマ帝国時代から始まったとされ、長い歴史があります。農林水産省のホームページから食料自給率を調べたところ、日本の38%に対し、イタリアでは58%で(2019年のカロリーベース)、野菜類、果実類は100%を大きく上回っています。
では、イタリアでのSDGsはどのような状況でしょうか?イタリアでは「SDGs」より「パリ協定」のほうがピンとくるそうです。イタリア全土では、プラスチック製品のレジ袋については、使用した場合、事業主(つくる側)に罰則があり、プラスチック製品、パッケージングの削減の取り組みが進んでいるとのこと。他にもレストラン、食料品店の売れ残り商品を格安で買えるアプリが普及していたり、スーパーの期限切れ間近な商品など、ボランティア団体に寄付され、貧困層への配布や、炊き出しに使われたりしているそうです。調べてみると、日本でも同じような取り組みが行われていることが分かりました。
イタリアでは個人レベル(つかう側)にもごみの細分化、ごみの税金の値上げが課せられているそうです。日本でもごみの排出抑制、リサイクル促進のための法律、通称リサイクル法がありますね。
また、私たちと同年代のイタリア全土の高校生が環境保護の重要性をアピールする気候変動に関する抗議デモを企画したそうです。

NOTE

※パリ協定
2015年の国連気候変動枠組条約締約国会議で取り決められた2020年以降の温室効果ガス削減に関する枠組みで、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」、「21世紀後半に温室効果ガス排出を実質ゼロにする」という世界目標が掲げられています。

私たちのSDGs活動
~日比谷パレスとの共創~

SDGs達成に向けて私たち管理栄養士の卵に何ができるかを考えた時に、まずは多くの方にSDGsを身近に感じてもらえる場が必要だと思いました。そこで、参加者がSDGsを知って、SDGsに取り組む意欲を持てるような体験型イベントを開催することとしました。
体験イベントの場は、日比谷パレスに提供していただけることになりました。
次に、私たちは日比谷パレスの武シェフにアドバイスをいただきながら、イベントで提供するメニューを開発しました。

イベントメニューの開発
~中西ファームとの出会い~

イベントメニューの開発にあたり、SDGsに配慮して生産された野菜を取り入れることにしました。そこで、八王子市でSDGsに配慮した農作物を生産する中西ファームを訪ね、食材に対する想いを取材しました。
中西ファームは、化学物質の農薬を出来る限り使用せずマリーゴールドなどを用いて土壌改良したり、また廃棄ゼロに取り組んだりしている生産者です。消費者に喜ばれる農作物の生産を目指し、消費者とのコミュニケーションも大切にされています。
仲間たちと協力しながら、そして自らが農業を楽しみながら取り組んでいる姿勢に感銘を受けたと同時に、多くの消費者に知ってもらいたいと思いました。私たちは、今回のメニューに中西ファームの新鮮な野菜をたくさん活用することにしました。

アップサイクルに挑戦
~中学生とティーマット制作~

「持続可能な消費と生産」を推進するため、廃棄してしまうものを食卓に活用できる製品にアップサイクルできないか考えました。そこで、日比谷パレスから譲り受けた和装帯を、ティーマットにアップサイクルする方法を考案し、動画を制作しました。
動画を活用して、中学生にもアップサイクルに挑戦してもらいました。終了後のアンケートで、ティーマットづくりを楽しんでもらえたこと、SDGsを身近に感じられ、取り組みを続けていきたいという気持ちが持てたことが分かり、とても嬉しかったです。

皆さんも動画を見てアップサイクルにぜひ挑戦してみてください!

イベント開催!

2022年8月1~31日に日比谷パレスでSDGsをテーマにしたイベントを開催しました!
完成したメニューをご覧ください。

中学生と作ったティーマットも会場に展示しました。さらに、イベントメニューを注文してくださったお客様には、お好きなティーマットを選んでご自分のテーブルにセッティングしていただけるサービスを提供しました。

食の生産者と消費者をつなぐレストランでイベントを開催することで、多くの方に食の面からSDGsを知っていただける機会となりました。

さいごに

今回の活動を通してSDGsについて深く理解できたと同時に、多くの方と交流できたことは私たちの財産になりました。一つのことを成し遂げるために必要なコミュニケーション能力やマネジメント能力、共同・協同・協働の精神、社会人に求められる立ち居振る舞いなど、たくさんのことを学びました。
お力を貸してくださった皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。

協力店
日比谷パレス

〒100-0012 東京都千代田区日比谷公園1-6
https://hibiyapalace.co.jp/

中西ファーム

〒193-0934 東京都八王子市小比企町2706
https://nakanishifarm.jp/